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手記

手記

父の手記

昭和62年3月21日に催された「豊坂尋常高等小学校昭和13年同窓会」の司会を父が努めました。

その時のメモが書き残されていました。

ここには私にも語ることのなかった、父の素直な気持ちが整理・凝縮された形で綴られています。

その他にも、下書きと思われる数枚のメモがあります。

父の書き残した言葉をどうぞご覧下さい。

同窓会メモ

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豊坂尋常高等小学校卒業生の皆さんこんにちは。

先の大戦でまたその後多くの同級生の方々が帰らぬ人となられました。

折しもお彼岸の今日、専光寺においてご供養ご冥福をお祈りすることが出来ましたのは、一重に古里の幹事さん・地元の皆さまのおかげと深く感謝いたします。

減ることはあっても増えることのない同級生のためにも、このような集いを「生き様を語り合う会」を今後共ご苦労さまですがやっていただきたい。

かように思っています。

どうも失礼いたしました。


○○先生を迎え

(次のページへ続く)

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戦争の時代を懐かしむ訳ではございませんが、二度と戦争があってはなりません。

あの当時としては自由が許されませんでした。

こうして今、会うことが戦争で失った「青春の空白」のうめあわせが償われた気が致します。

今日、青春がやってきました。

(青春をもう一度)

多分、司会の下書きと思われる箇条書きのメモnew

父の体験にはない、「新天地ブラジル」の記述(友人の代弁のためか?)があったり少し不明なところがある箇条書きのメモです。

※このままでは、意味が伝わらないので、できるだけ原文をそのままに、私の独断で順序を並び変え意訳してつないでみました。

メモ表面

今の私があるのは、人の心の温かさがあったからです。
そんな思いのこもった「寄せ書きの日の丸」(千人針)を、今でもお守りのように大切にしています。

「山が見たい」と、ふと思うことがあります。
遠い心の奥底にある「トボネ山」は、疲れ果てた心を和ませてくれます。
山はやさしく語りかけてくれます。
夢と希望を与えてくれる山なのです。

何時も心を慰めてくれる山や川!
忘れえぬ山や川!

注:トボネ山は三河にある山

メモ裏面

そして、裏面最後には強い筆跡でこうあります。

人間は神様じゃないのだ
あきらめるんだ あきらめるんだ あきらめるんだ
人間は只々妥協して行かなければ生きていけないのだ

※この「あきらめるんだ」の文の中には、「戦争という時代」に青春をおくったことに対する悔恨の念が込められているかもしれません。

割愛しましたが表面には「悲しくとも嬉しき若い時の話をさせていただきます。」という一文があります。

父の青春は、「戦争」という不幸な時代でした。でも、まぎれもなく「父の青春」なのです。